コーナ・モデリング抽出パッケージ

IC-CAPコーナ・モデリング抽出パッケージを使用すれば、モデリング・エンジニアは、プロセス制御測定(PCM)の統計データから抽出したCMOS半導体プロセスや、測定データから抽出したシリコン・ベースのモデルのコーナ・モデル・ライブラリを作成できます。特定のデバイスの動作を記述する測定データから抽出したモデルとは異なり、コーナ・モデルは、統計プロセスの変動を考慮したモデルの動作を記述します。NおよびPタイプのCMOSデバイスのコーナ・モデルを結合して、シミュレータ・ライブラリ・ファイルが作成されます。このファイルは、ワースト・ケースの回路状態のシミュレーションに使用できます。

コーナ・モデリング抽出パッケージの主な特長

  • CMOSデバイスの統計コーナ・モデルの効率的かつ正確な抽出
  • Excelスプレッドシートによる簡単なコーナ・プロジェクトのセットアップおよびカスタマイズ。代表的なCMOSターゲットが予め定義されていますが(Idmax、Idoff、Vthなど)、ターゲットを追加/カスタマイズすることも可能です。
  • 従来のCMOS抽出パッケージ(BSIM4、PSP、HiSIM抽出パッケージなど)の出力ライブラリなど、シリコン・ベースの測定データから抽出されたライブラリの簡単なインポート
  • 専用表示ウィンドウでのターゲット/パラメータ調整機能のグラフィック表示
  • 最終的なシミュレータ・コーナ・ライブラリの自動作成(NおよびPタイプのコーナ・デバイスを含む)
  • 高性能のシミュレータ・スイートによる、サポートされているすべてのシミュレータのシミュレーションの自動実行、警告/エラーの通知
  • HTMLレポートの自動作成
  • Keysight Advanced Design System(ADS)、SynopsysのHSPICE、Cadence Spectre、Mentor Graphics ELDOのシミュレーションのサポート

概要

コーナ・モデリング・パッケージには、専用のユーザ・インタフェース(UI)と、以下の抽出/検証手順を詳細にガイドするツールがあります。

  1. 各コーナ・デバイスに対して、使用可能なPCMターゲットとそれらの統計データ(平均値、最小値、最大値)を定義して、新しいプロジェクトを作成します。
  2. コーナ・モデリング調整用のシミュレータ、ライブラリ設定、パラメータを選択します。調整プロセス中に使用する生ライブラリがツールによって自動的に作成されます。
  3. 最初に代表的なデバイスの動作に合わせて代表的なモデル・パラメータをセンタリングして、コーナ・モデリングを実行します。次に、コーナ動作に合わせてパラメータを調整します(下図の調整専用のUIウィンドウを参照)。
  4. 1つまたは複数のシミュレータに対して、最終的なコーナ・モデル・ライブラリが自動的に作成され、シミュレータ・スイートを使用して検証テストを実行します。シミュレータ・スイートは、抽出されたコーナ・ライブラリを使用してユーザ・カスタマイズ可能なシミュレーションを実行し、シミュレーション中にエラー/警告が発生した場合に通知します。
  5. 最後に、ドキュメント作成用にHTMLレポートを作成します。

Corner Modeling Extraction Package

ターゲット・モデリング抽出パッケージ

IC-CAPターゲット・モデリング抽出パッケージを使えば、プロセス・コントロール・モニタ(PCM)ターゲット・データに基づいて、CMOSモデルの抽出や再センタリングを効率的に行えます。従来のCMOSモデリングでは、さまざまなデバイス形状に対する膨大なI-VおよびC-Vデータを使用します。このようなデータを得るには、通常、プロセスが安定して成熟した時点で、長時間の測定を行う必要があります。ターゲット・モデリングでは、デザイン・サイクルのもっと早い段階で正確なCMOSモデルを抽出するために、プロセス・コントロール・モニタ(PCM)データを使用します。これは通常、プロセス開発の初期に簡単に実行できる高速なシングル・バイアス・ポイント測定により得られます。

ターゲット・モデリング・パッケージの主な特長

  • このアプリケーション用に設計された専用ユーザ・インタフェース
  • PCMデータおよび関連するバイアス情報をExcelスプレッドシートからインポート可能
  • PCMデータの統計情報(平均値と分散)をインポートして表示
  • BSIM3、BSIM4、PSP、HiSIM2、BSIMSOI4モデルを直接サポート
  • ADS、Spectre、HSPICEなどのシミュレータへの直接リンク
  • ユーザ定義のスケーリング・ダイアグラムおよびI-V図の表示、チューニング、最適化
  • カスタマイズ可能なHTMLレポートの自動作成
  • オープン・アーキテクチャにより、PCMデータ・プロットとともに従来のI-Vトレースをインポートして使用可能

概要

この抽出パッケージには、PCMデータのインポートと、スケーリング・ダイアグラムおよびI-V図の作成を管理する、専用のUIメイン・ウィンドウが含まれます。デバイス情報とPCMデータは、Excelスプレッドシートから直接インポートされます。便利なウィザードにより、デバイスのサブセットを定義して、PCMデータ・スケーリング・ダイアグラム(Ion対L、Ioff対Wなど)を導出できます。

Target Modeling with IC-CAP

専用のユーザ・インタフェースを使って、図を複数のプロットに結合できます。強力なIC-CAPプロット・オプティマイザ・ツールにより、モデル・パラメータを簡単に選択して、スケーリングおよびI-Vプロットのチューニングを最適化できます。

Target Modeling with IC-CAP

Advanced Design System(ADS)への強力なシミュレータ・リンクにより、複数のデバイスのシミュレーションでもリアルタイムのチューニング性能が得られます。

IC-CAPデバイス・モデリング・ソフトウェアの詳細