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概要
ノートパソコンから掃除機まで、すべての電気製品に共通に備わっているもの、それは電源です。正確で安定したDC電源がないと、デバイスは動作不良を起こすおそれがあります。設計開発期間中にこれを正しくテストしておかないと、回路内の他のコンポーネントを損傷したり、最悪の場合はプロジェクト全体の遅れを引き起こしたりする可能性があります。
このプロセスを容易にするには、最新のオシロスコープのパワーアプリケーションを使用します。これらのアプリケーションを使用することで、測定のセットアップ時間を大幅に短縮できます。ただし、これらの測定内容と、安定したSMPSを作り込むために何に注意したらよいかを十分に理解しておくことが不可欠です。
第1章
基礎
かつて電源といえば、リニア電源が主流でした。一方現在では、スイッチング電源(SMPS)が市場で支配的です。リニア電源がトランスを使用するのに対して、SMPSは、スイッチングトランジスタとキャパシタの組み合わせを使用して、安定したパワーをデバイスに供給します。このデザイン変更のために、SMPSはリニア電源よりも効率が2倍高くなっています。SMPSのもう1つの重要な利点は、サイズが小さいことです。小型化と機能の向上は、現代のデバイスにとってきわめて重要です。基板はますます小さくなり、その上にますます多くのコンポーネントを実装する必要があるからです。リニア電源には大きくて重いコンポーネントが必要なのに対し、SMPSははるかに小さいスペースに搭載可能です。しかしながらSMPSは、スイッチング動作を行うため、リニア電源に比べて必要な測定項目がいくつか増えます。このような面倒な測定作業も、オシロスコープのパワーアプリケーションを使用すれば、リニア電源のテストと同じくらい簡単に解析を行うことができます。
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