ホワイトペーパー
フェーズドアレイアンテナの開発は新しい時代に入りつつあり、開発の速さが成功のために重要な要因となります。最新の5Gや衛星通信向けの民生用フェーズドアレイ開発プロジェクトは、従来の特殊目的製品の開発プロジェクトに比べて、タイムトゥマーケットやコストの点で新しい課題をもたらします。低軌道(LEO)衛星の登場とともに急成長している宇宙通信産業は、今後何年かにわたり、グローバルな5Gネットワークの展開に重要な役割を果たすでしょう。
このような状況下では、電波暗室内での物理プロトタイプの試験に、開発サイクルの大きな部分を取られるわけにはいきません。デザインの近似、ハードウェアプロトタイプ、複数回のテストの反復に頼る従来の方法は非効率です。デザインの信頼性を短時間で実現する手段が欠けているため、プロジェクトの予測できない進展によりコストの超過を招くおそれがあります。
より良い方法の登場
エレクトロニック・システム・レベル(ESL)デザインの方法論は、信頼性の高いモデリングと高速シミュレーションによって可能となったもので、仕様を満たすフェーズドアレイを時間と予算の範囲内で開発するための最新の方法です。ESLの手法では、仮想プロトタイプを作成し、それを使ってデザイン空間を十分に探索することで、仕様を満たすトポロジーに到達できます。トポロジーを要件の全範囲にわたって検証し、モデルの忠実度と正確さを徐々に高めていきます。シミュレーションで高いデザイン信頼度が得られたら、プロトタイプハードウェアを作成して、電波暗室内でテストします。そこからは、デザインを微調整するだけで、仕様を満たすことができます(図1)
ESLの手法を使用する最大の利点の1つは、アレイトポロジー、ビームステアリング角度、振幅/位相分布、サイドローブ制御、アンテナエレメントの障害といったシステムデザイン空間の全体を探索し、検証できることです。フェーズドアレイの仕様は、通常多岐にわたります。ただし、デザイナーは、仕様を簡素化して、遠方界パターンの特性と、必要な仕様を満たすための対応するデザインパラメータに変換できます。フロントエンドエレクトロニクスでの信号劣化がなければ、いくつかの単純な基本パラメータから出発して、ごく短時間で遠方界に到達することができます(図2)。
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